「世の中、だんだん住みにくくなった」と、最近感じることが増えてきた方はいないでしょうか?私は日ごろの自分の仕事を通じて、また、テレビ番組などでの報道を通じ、昔に比べて色々な犯罪が身近に迫ってきているような感覚を得ています。
思い返してみると、私たち昭和の後期に学生時代が当たっていた世代が子供だったころは、何だかんだでまだ現代のように陰惨な事件はどこか遠い世界の話に思えていたのです。私は大阪の下町と呼ばれるような地域ん生まれ育ち、そこで子供時代を過ごしましたが、いわゆる「ご近所さん」と呼ばれるような地域の大人たちの目もしっかりと行き届いていて、うるさいながらも大人に見守られているという安心感がありました。

しかし現代は、それら地域の暖かい空気間は薄れてしまい、その分「他人のことなど知らない」という雰囲気に社会全体が染まってきたように感じます。
実際、私が今家族で住んでいる自宅は両親から受け継いだもので、子供のころからずっと同じ家に住んでいる形になるのですが、周囲の住人は新しい方が増え、昔は濃密だと感じていたご近所との付き合いも希薄です。
通勤途中などたまに昔馴染みに会っても、交わされる会話は「最近この辺りも物騒」とか、「家のセキュリティを高めないとね」などの内容が中心です。そこから「勝手口の鍵までこだわってこそ安全」などという自宅のセキュリティの方法論にまで話が広がることもありますが、その裏で「こんな身を守る話ばかりでもなぁ」と、自分が子供の頃にはあった暖かいご近所との付き合いを思い返し、現在の状況を悲しく思うこともあるのです。